自動車事故等第三者行為災害による労災保険の二重払いと思われる事象について

 唐突ですが皆様、第三者行為災害(傷害事件や自動車事故などです)に伴う労災保険が、災害後7年間は労災給付が止められますが、8年目からは給付されることになっていることをご存知でしょうか。

 第三者行為災害の多くに交通事故があります。交通事故の場合任意保険に加入している場合がほとんどで、死亡の場合は比較的高額な補償が受けられます。労働中の交通災害の場合は、この自動車任意保険の補償の他に、8年目以降は労災保険の遺族補償も受けられるのです。

 実は、平成25年までは労災保険の停止期間は3年でしたが、会計検査院からの二重払いの指摘を受け、停止期間を7年とした経緯があります。

 第三者行為災害には、傷害事件等のように簡単に加害者から補償を受けられない場合もあるので、すべてが二重払いとは言えませんが、少なくとも任意保険会社から手厚く補償が受けられる場合の第三者行為災害の場合、労災保険の支給は停止しても良いのではないか、というのが私の意見です。

 労働災害補償は、弱者救済の意味合いがあり、良い制度であることは間違いありません。保険金は基本的には、労災保険料で賄われていますが、公共事業の場合はそもそもその保険料は税金から支出されています。

 明らかに二重払いと分かっていても、支払う側の労災保険所管が厚生労働省という役所になっているから、明かな二重払いのケースでもなかなか改善されないのだと思います。

 例えて言うなら、交通事故を取り締まる警察が自動車保険も扱っているようなものです。(自賠責自動車保険は、国土交通省が所管しています)

 二重払いの解消もさることながら、労働災害を監督する厚生労働省(監督署)が、労災保険も所管していることに、常々疑問を持っています。

 民営化が叫ばれる中、労災保険の業務も民営化され、異常給付と思われるような二重払いが解消され、本当に困っている労働者にお金が補償されるシステムに代わることを、切に願っています。